物の価値

最近人に勧められてちょっとハマってる携帯ゲームがある。
そのゲームアプリは100円の有料アプリなのだが、
その人が勧めたときに

「500円とか1000円とかなら買わないけど、
 100円だったらオニギリ1個ガマンして、
 こんな面白そうなゲームが手に入ると思えば
 買っても良いと少しは思えるんじゃないですかね」

って言ってて、妙に納得してしまった。

で、実際に落としてやってみると
これが結構よくできてて、すっかりハマっている。

正直これだったら500円や1000円出す価値はありそうな
レベルなのだが、じゃー実際にこれが500円か1000円だったら買ったのかと
言われると、、、、たぶん買っていない。


なぜなら、そのときは本当に面白いかわからないし、
元々有料アプリはほとんど買わないから
500円か1000円だったら間違いなく買っていないだろう。



この発想はよくよく考えるとなかなか恐ろしい内容を孕んでいる。



例えばこれをライブハウスへライブを観に行くことに置き換えてみる。

今だいたいライブを観に行くのに前売りだったとして
2500円くらい掛かるところが多いと思う。
イベントやハコによって価格はまちまちだと思うが、
とりあえずこれを基準にしてみよう。
※ちなみに「そのときに掛かるお金」というのをベースに
 話すので、ドリンク代は込みの価格で考える。



さっきの「100円だったらオニギリ1個ガマンして、、、」っていう
発想で考えるとライブを観に行くのには
昼飯5日分をガマンすることと近しいということになる。



さあ、果たして昼飯5日分をガマンしてでもライブを
観たいと思う人がどれくらいいるだろうか?



恐らく、音楽関係者(バンドマンやイベント関係者含む)や
ヘビーなライブファンならば行きたいと思う人がいるだろうが、
それ以外の人ではほとんどいないと言って良いだろう。


また、昼飯5日分をガマンしてしょぼいステージ見させられたり、
つまんない対バンのなかで長い時間浪費させられたりするのは
なかなか堪え難いことではなかろうか。



そして、続いての例えとして音源のダウンロード配信である。


音源を500円や1000円でダウンロード配信しているところについて、
これはまさに冒頭のアプリの話と同義である。


500円や1000円も出して、良いのか悪いのかどうなのかも
わからない音源を買うとは思えない。


ダウンロード配信には一応お試し視聴というのもある。
しかし、視聴から購入というところまで行くのも
なかなかハードルが高いと思われる。


ちなみに野田サリーの音源は1曲200円でダウンロード配信を行っている。
音源は5曲分あって、1曲からでもダウンロード可能、
1000円出せばすべてまとめてダウンロードできるというシステムである。


だが、これも今回の話を考えるとなかなか厳しい気がしてきた。


ちょっと前に飲みの席(音楽関係者ではない人たちとの飲み)で
「ダウンロード配信をやってて1曲200円で買える」という
話をしたのだが、「1曲200円は高いね~」と言われたのを思い出した。

野田サリーで音源のダウンロード配信が決まったときに
音楽に興味がある人ならば、200円であれば買うでしょという話をしていたが、
相当甘かったな。


100円出すのですら少し考える時代なのである。
音楽関係者ではない人から考えるとよくわからない人たちの音源に
オニギリ2個分ガマンして200円出させるというのは
まったくもって容易な話ではない。


そう考えると自身のやっていることはどうだろうか
こんな甘ったれ状態で良いのか、のうのうとしてて良いのかと
改めて考えさせられるわけである。


もっと色々名を出していかなきゃいかんね。
戦略を考えないといかんね。


妙案が思いつかない。


考え事は尽きない。