野田サリー New Album 『Quest』をギター的観点から見る。

今回発売した野田サリーのアルバム『Quest』について
ギターに関するところを自分への備忘も兼ねて残しておく。

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■収録曲

[1]アイローニーワン
[2]堕落について考える
[3]メロドラマ
[4]約束(Quest版)
[5]夢の話をしよう
[6]『0000』
[7]芸NO人
[8]if you love loneliness
[9]ユドネアネブラトリストM
[10]Gift

 

前もって言っておくと、ミックスとかマスタリングで歪みとか音色とか
いじられているところもあるかとは思うが、そこについては特に触れない。
あくまで録ったときの話。

 

アンプはすべてスタジオにあったJC-120を使用。そこのラインアウト
MTRへ突っ込む形。
ギターは1曲を除いて、ここ最近ライブで使っている
Fender USAのテレキャスターシンライン(水色に近い青色のやつ)である。

これから買う人ももう既に持っている人も興味があればということで。

 

 

■1. アイローニーワン
ミディアムテンポが多くなってきた時期に激しいのがほしいということで
できあがったこの曲。ゆえに全体的にめちゃめちゃ激しい。
全体的な歪みはOne ControlのLingonberry OverDrive(強めのオーバードライブ)を

使っている。

 

中盤のテンポがゆっくりでめちゃめちゃ激しくなるところは
Lingonberryに加えてsobbatのDB-2(オーバードライブ)の歪みも足している。
この部分についてはコード感とかそういうのは気にせず、
とにかくめちゃくちゃに弾くようなオーダーがあったので、
そういう感じにしている。ゆえに再現してって言われても多分できない(笑)。
(だいたいこの範囲、というのは決めているのだけど。)

 

フィードバックの音の出方にバリエーションを付けるために、
アンプへのギターの向け方を色んな角度にしたりとか
そういった面で色んな試行錯誤をした気がする。

 


■2. 堕落について考える
この曲自体はかなり昔からある曲。
中盤やラストの激しい疾走感があるところ以外は
すべてクリーントーンがベース。
ソロもクリーントーンにOne Controlの
Granith Grey Booster(クリーンブースター)を加えている程度。
みんなで一斉に入るところでは、リフにempress effectsの
Nebulus(マルチモジュレーション)にあるフランジャーを掛けていたりする。
中盤やラストの激しい疾走感があるところだけDB-2の歪みを入れている。

 


■3. メロドラマ
MVにもなっている最近の野田の推薦曲。
全体的にはDB-2の歪みを加えているが、
ヤマパンの歌パートのところはBOSSのボリュームペダルを使って、
少し音量を下げている。
中盤のソロはDB-2の歪みに加えて、Granith Grey Boosterを加えている。
(自分の場合、ソロで音量を上げるときは基本的にGranith Grey Boosterを
使うことがほとんど)

 

最後の駆け上がっていくところはDB-2に加えてLingonberryも入れて、

歪みをさらに強めている。

 


■4. 約束(Quest版)
もう廃盤になっている初期音源から今の形の再録。
この曲に関してはみんなでスタジオ一発録りをした。
全体的にクリーンがベースとなっている。
サビも歪みは使わず、ボリュームペダルで音量を上げる程度。
ソロはBOSSのDM-2(アナログディレイ)を加える程度。

 


■5. 夢の話をしよう
ライブでやる機会がほとんど無かったけど、実は作り始めは結構昔。
この曲は最後のめちゃめちゃ激しくなるところ以外はすべてクリーンがベース。
Aメロにあるちょっとした間奏はNebulusのコーラスを掛けている。
サビや間奏はボリュームペダルで音量を上げるようにしている。
サビはNebulusのコーラスを掛けて、途中からSIB!のMR.ECHO PLUS(ディレイ)を

加えて、広がりを加えている。
そして、サビは音をやわらかくするために指弾きにしている。
サビ終わりの静かなパートに入る前や最後のサビ前にグワンとなるところは
MR.ECHO PLUSのSLAMスイッチを使って発振させている。

 

最後の駆け上がっていくところはサビで使っているコーラスやディレイに加えて、
Lingonberryできつめの歪みを入れている。
(ライブではこれのバッキングを弾いているけど、アルバムではソロのみ
この組み合わせの音が聴ける)

 

この曲だけFender USAのテレキャスシンラインではなく、
昔から使っていたFender Mexicoのテレキャスシンライン(ナチュラルカラー)を
使っている。
本当は他のバラード系や激しくない曲はこのナチュラルのシンラインを
使うつもりだったのだけど、すっかり忘れていて、
思い出したころにはもう録り終わっていた(笑)。

 


■6. 『0000』
野田サリーのなかで一番新しい曲。
というかこの曲はここ最近のレコーディング期間のなかで、
一気に仕上げて録った曲。
前半で歪みを使っているところはDB-2を使用。
お経パートのところはしばらくクリーンのままで、
途中から激しくなるところはLingonberryとMR.ECHO PLUSを使用。
シューゲーザーみたいな音にするようオーダーがあったので、
このようなチョイスにしてみた。
最後の最後の詰め込みフレーズはLingonberryにGranith Grey Boosterを加えて、
できる限りの速弾きを突っ込んでいる。

 


■7. 芸NO人
この曲もかなり昔からある曲。
でも、しばらく寝かせっぱなしだったのを久々にやってみたら、
面白いことに気づいて、ラインナップに上がってきた。
結構この曲は展開が目まぐるしく変わっていくのが特徴。

 

歪みはDB-2がベースだけど、途中のベヴィになるところは、
これにLingonberryをさらに加えている。
4つ打ち的になるところではBOSSのPH-3(フェイザー)を加えている。
最後のソロはライトハンドを使う関係でDB-2, Lingonberry, Granith Grey Boosterを
いっぺんに掛けて、歪みたっぷりの状態にして弾いている。

 

この曲は自身のなかで多分一番苦戦した曲(笑)。
特に最後のソロと最初の部分かな。

 


■8. if you love loneliness
バンドのなかでも色々試行錯誤した曲。
野田サリーは各位聴いてきた成り立ちは様々ではあるけど、
このジャンルはあまり無い部分な気がする。

 

この曲はボリュームペダル以外エフェクターを一切使っていない。
基本はクリーンでボリュームを抑えっぱなし。

ソロだけボリュームを上げる感じのこのアルバムのなかでは一番シンプルな形。

こういうアレンジの仕方って2年前じゃ考えられなかったな(笑)。

 

この曲も色々大変だった印象がある(笑)。

 

この曲を作っている頃にたまたま近所でジャズフェスティバルがあって、

そのライブを観ていて、色々ヒントを得ていた。

これを観ていなかったら、もっとガチャガチャしたフレーズにしていた気がする。 


■9. ユドネアネブラトリストM
別の音源に収録されている「背徳は血塗れの真実」から
ようやく抜け出せた野田サリー推薦のハードな曲。
歪みはLingonberryをベースにソロではGranith Grey Boosterを加えている。
そして、ソロやAメロにて、ところにより、Nebulusのrateをめちゃめちゃ短くした
フランジャーを加えている。
(こういうことができるのはpresetがいくつもできるNebulusならでは)

 

今回の音源のなかで一番最初に録った曲。
これを録り始めたのがちょうど1年くらい前だから、改めて長かったなーと感じる。

 


■10. Gift
こちらも昔の音源から今の形の再録。
もうこの曲もでき始めてから随分長い。野田サリーにとって大事な曲。

 

この曲はMR.ECHO PLUSを掛けっぱなし。
サビはLingonberryの歪みを加えて激しくしている。
間奏パートで所々グワンとなっているところがあるが、
これもMR.ECHO PLUSのSLAMスイッチを使っている。
※MR.ECHO PLUSは自身にとって野田サリーでは欠かせないエフェクター

 なっている。

 

ソロはLingonberryの歪みに加えてGranith Grey Boosterを
入れて音量を稼いでいる。

 

公開されている「Gift」のMVは昔の音源のもので、
これを今回の『Quest』の「Gift」と聴き比べると
当時はめちゃめちゃ速かったことがよくわかる(笑)。

 


以上、ここまで!!
なんだかんだで長くなった(笑)。